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洋彰庵 利吉(吉利) な、いおりにございますれば |
ひそやかな【隠れ家】たるべき空間考
誰にも邪魔されぬ空間を、生活の中に持てる者は贅沢である。附記 読んだ本 贅沢の勉強 松山 猛 著 1983年5月 文藝春秋
同様にひそやかな【隠れ家】たるべき空間を持つ者は贅沢である。
評論家の 松山 猛 氏はその著「贅沢の勉強」文藝春秋刊、に このように書いているが、まさにこの言葉にふさわしい時間と空間が 欲しくなったのは、そう 44歳のなかば平成12年の末であった。 ちょうど開業して7年、妻を娶って15年、医療に従事して20年目の 冬であった。一切を無に帰するという場所が欲しかった。
実態を伴わない洋彰庵サイトに、本当の庵(いおり)を作り、過去の 違残を整理、本当の自分を見つめる空間としての洋彰庵を 作りたくなったのである。 もっとも関三刹の大中寺や真壁の伝正寺が 近くに存在し、診療後に己を見つめる参禅が出来れば良かったのだが、 地理的関係でままならない。
自己を見つめたい願望が起った場合、現在の日本に、しかるべき 大人たちが至福の時間を過ごし得る空間はあるのだろうか。
たとえあったとしても、かなり少ないのではないだろうか。
それを物語るかのように、ある人は外国に行きつけのホテルを持ち、 ビジネスなどで海外に出かける度にそこまで足を伸ばし、誰にも 邪魔されることなくくつろいだり、あるいは思索の時間を持ったりしている。 エクゼクティヴな方々だ。一般に会社勤務の人も、あそこのBar・ここの居酒屋・ と自分の隠れ家的空間を持ったりしてゆったりとした時間を持ってから 帰宅する方が多いであろう。もしゆったりとした時間を禅寺で坐禅しつつ、 思索したいと思った場合、どうしたら良いだろうか。
むべなるかな、である。
日本の宿泊施設の多くは、それが豪華ホテルであれ、民宿であれ、 単に宿泊するだけの【点】的な存在になってしまった感がする。 それを非難するつもりはないが、どうも日本人には、リゾートライフというと、 すぐにスポーツ・アクティビティーに走る傾向にある。 何をするでもなく、自らの感性を磨く、誰にも邪魔されない、ゆったりとした 時間を過ごす空間。これを忘れかけているのではないだろうか。
このように書くと、「あいつ引いたな」「引きこもりだ」と 非難されそうであるが、引きこもるのではない。自己を解放し、 自分を取り戻す時間や空間のことである。
何も欧米を真似ることはないが、欧米での精神のリフレッシュを「リ・トリート」 (Retreat)と呼び、その過し方をリ・トリート・ライフを過ごすと表現する。
リゾートの語源を遡ると、本来あるべき自分を取り戻す事という意味に辿り着く。
リトリートにもそれに似た意味合いがあるが、もうひとつ「隠れ家」という意味合いが あるのは興味深い。Retreatは引退とか退却とか手を引くという意味もあるが・・
そして・・・平成13年5月連休あけから工事が始まった。 先ず業者 大工さんの腕を信じて以前からの付合いのある、高橋工務店にお願いした。
素材 床材と檜の節板は江戸川区の友人、山正材木店主より仕入れた。
工事第1景:部屋の隅ではなく真ん中にユニットバス・トイレを配置〜〜
松山 猛氏は『帰ってきたヨッパライ』の作詞家や雑誌編集として有名かもしれない。
工事第2景:床を張りユニットバス・トイレをひのきで包んでいく。大工泣かせの仕事
工事第3景:檜の節板での内装、壁も大工さん泣かせの仕事、しかし腕の見せどころ。
4畳半の正方形、狭くも広くもなく・・ちょうど良い・・充分な瞑想スペース
【質素にして重厚、重厚にしてかつ暖かい】
質素にして重厚、重厚にしてかつ暖かいって何だろう。
これは各人各時期にて好みが違うので、洋彰庵の意見を強要する気はない。
例えば赤子を観察するに、涎でぐちゅぐちゅのタオルを放さない子は意外にも多い。
【自分のにおいの染みついた汚れたタオル】これがその時期のその赤子の質素で重厚、
かつしっとりと暖かい環境・空間・物である。
ある人は、抱きマクラと言うであろう。 ある人はダッチワイフ。。。 ここらで オげフィン になるから脱線は止めておこう。
さて、質素にして重厚、重厚にしてかつ暖かい空間はというと、これまた家庭にそれを 求めたり、リゾートホテルに求めたり、又種々の意見があるであろう。まさに十人十色である。
洋彰庵はこの空間を求めた。 少し前までは、今でもだが、清里のハットウォルデン (萌木の村内)に求めた。 禅寺に求めた。 古くは新宿五丁目オカマバーにも、 ロック喫茶にも求めた。 そして・・・平成13年5月、作った。 まあ前書きはこのくらいに しておこう。
とりあえず5月22日完成。 床の前。ひのきの節目板の前にお気に入りのランプを置いてみる。
四畳半、低い位置からフロアとユニットバスの目隠し板を見る。坐禅するも良し。・・
調子にのって和室、四畳半にランプを置いて写真を撮った。そう・・
ここは 無一文こそ無尽蔵!! ランプ意外は、何も置かない つもりだが!!
【隠れ家】たるべきスピーク・イージー(スピーキージー)
さて仮想のお話 スピーク・イージー(スピーキージー)のお話をしよう。
時は1920年代の終わり、N.Y.マンハッタン。街には、32.000軒もの
いわゆる【 潜り酒屋 】が存在していた。米国に禁酒法が施行された時の約2倍である。
禁酒法によって酒場が1軒閉鎖する度に、2軒の【潜り酒屋】が新たに誕生したという。
国民が、時代が、それだけ強く求めていた【潜り酒屋】Speak Easy(スピーキージー)と呼ばれ、 大人たちの密かな社交場として親しまれた。
そんな大人たちの、時代や場所を超えた欲求と遊びごころを満たす隠れ家的空間。
気軽に立ち寄れるバーカウンターは非日常的な雰囲気を楽しむことが出来そうだ。
まさに、密かな社交場。とことん食材にこだわった創作料理が食通の舌を唸らせる。
空間演出や心地よい音楽、五臓六腑で味わう数々の・・・ごゆっくりお楽しみや〜。
附記 上記Speak Easyの文章及び下のゴーゴーガール等は瞑想と仮想空間です。念のため。