Welcome to Macintosh


1.マッキントッシュへようこそ

Macintosh
マッキントッシュを使ってみましょう。洋彰庵的にはマッキントッシュには様々な思い入れがあります。 最初はどんな家電でも電源を入れることから始まります。
昔の機種ならばスイッチ(背面にある)オン、68kの最近の機種ならばキーボードの電源オンボタンを軽く押すだけ。
マッキントッシュは起動します。電源を入れると、「po〜nnn」と音がします。この音は初期のマックと40マック以降とではかなり違いますが、いわゆる「パソコン」と呼ばれる「家電製品」の電源オンとは違います。殆どのパソコン起動時の音は機械的な「ピポ」だったでしょう?
H&S
おまけに起動時にハードの故障(トラブル)があると、マッキントッシュはまるで構内アナウンスさながらにピンポンパンポンと知らせてくれます。2小節目はたぶんわざと音程を外しています。カワイイです。そしてサッドマックが画面に出現。

余談ですが起動中に何らかのトラブルが発生すると車の急ブレーキ音とともにクラシュ音がします。キュルルー・ガシャンとかなり派手です。かわいいシステムではありませんか。最も実際にはハードの故障やシステム起動時のクラッシュなどは、経験したくない状態でありますが。
さて、話が脱線しました。音に続いて、画面には「ハッピーマック」が出てきます。そして、
「Welcome to Macintosh」のメッセージ。これは画面一面に派手に雲の絵を展開ではなく
小粋に「ようこそマッキントッシュへ」なのです。
正月に立ち上げると、この「Welcome」メッセージが「あけましておめでとうございます」となります。
これは日本仕様(漢字Talk7から?)です。初めて拝見した時には感動してしまいました。

起動後にシステムにトラブルが起こった場合は あの「爆弾」が表示されます。 マックに爆弾
初期のユーザーは知らずにこの爆弾出現でマックから避難したそうですよ。

いきなり黙りこんでしまったり、遠い世界へ飛んで行ってしまうDOSマシーンよりは、使っている人に対してフレンドリーだと思います。それにしても機械がユーザに迷惑をかけている筈なのに、爆弾やらサッドマック表示や音でトラブルを示していると、やれやれと思いどうも憎めないやつと思って我慢してしまう、それがマック。

ところで、「ハッピーマック」「サッドマック」「Welocome to Macintosh」の画面にでるアイコンはどれも初代から続く画面と本体が一体になったコンパクト型マッキントッシュです。ところが、現行の機種には、このコンパクト型マッキントッシュは存在しません。古くからのユーザは何の疑問も持ちませんが、最近マッキントッシュを使い始めたユーザには、全く意味不明のメッセージかもしれません。

それを知ってか知らずかMacOSと顔シンボルが出現し始めたのが漢字Talk7.某ならぬMacOS7.6.1J からです。お寂しい限りですアップルコンピューター社さん。
MacOS8.後半からは「Welcome」が表示されるようになりました。

2.元祖「コンパクト型マッキントッシュ」

Mac&Boss
ドイツのフロッグデザインがその外観をデザインしているコンパクト型マッキントッシュシリーズを書きましょう。初代からのマッキントッシュ(128KからSE/30)を実際に使ったことのある人はそれほど多くはないでしょう。たしかに、最近のiMac以前までの機種の筐体は単なるアップルが作った「コンピュータ」にしか見えません。個人的にはIIci〜Quadra700の筐体もサイズ的には好きですが。一体型といってもカラクラからLC(パーフォーマー)シリーズのデザインは今一です。
マッキントッシュが日本に登場した80年代後半に専用のキャリング・ケースに入れ、背中に背負ってさっそうと当直に行く先輩がいました。とても羨ましかったのを覚えています。
コンパクト型マッキントッシュはこの時代の象徴的な存在であったのです。

3.マッキントッシュと日本

e
パーソナルコンピュータがまだ、高価なおもちゃの時代、コモドール(Commodore)社・ラジオシャック(Radio Shack)社・日本ではNECと富士通やシャープなどが8ビットマシーンでシェア争いをしていました。いわゆるインテル(Z80)かモトローラ(68K)か どちらがメインになるかの競争時代です。
これら高価なおもちゃを出発点にした製品群とは別に、ゼロックス(XEROX)社PARC(Palo Alto Research Center:パロ・アルト研究所)が研究し作り出したものがあります。 パロ・アルト研究所の研究者の中には、あのアラン・ケイもいました。
これら学術・研究と商売・実用という高価なおもちゃを脱した考えで技術が昇華し、(Lisa)が誕生しました。その後に世情から「廉価版リサ」的なマッキントッシュが登場する訳です。しかし当時の殆どの日本人にとっては高嶺の華だったと思われます。
ごく私的な事ですが、洋彰庵は自分の長女に上記経緯を踏まえて理紗(リサ)と命名してしまいました。 もうひとつ次女にはリンゴのイメージでと思いましたが、理紗の次で紗綾(サヤ)と命名しました。全然関係ありませんね。

マッキントッシュの登場は画期的でしたが、日本では一部のお金持ちで余裕のある人を除いては 今一つ注目を浴びませんでした。
そう あの日電のPC-9801(16ビットでアーキテクチャーがぐちゃぐちゃ漢字ロムマシーン)
が台頭したからです。TK-80からの流れの「マイコン」から、「パソコン」と呼ばれるように
なってきた時代でもあります。
マッキントッシュ誕生の時代、日本のコンピュータ事情はこのような様子を呈していました。
でも当時は日本電気PC-9801でないと実用ソフトが殆どありませんでした。医学統計含む
ゲームソフトから仕事や統計やワープロに至るまで。漢字ロムマシーンが便利でありました。

あれから・・17年・・・21世紀になりました。
68kMac-page
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