平円盤の歴史

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余談:シリンダー音源 余談:CD音源
音盤の歴史:1877年。エジソンがシリンダー方式蓄音機を発明して以来、人間の音の記録の歴史が始まりました。
そして シリンダーは徐々に改良され音楽の録音に利用され始めました。
ディスク方式がエミール・ベルリナーにより考案され、普及することになります。いわゆる円盤状のレコードの事です。
このページではdisk(平円盤=音盤)を題材にSP開発まで・そしてLP・EPの台頭そして
(憎しみのCD開発=CDご愛聴の皆様失礼!!)までの歴史を探求してみました。

参考引用文献
  • 世界のレコードプレーヤー百年史         山川正光 著 1996,12 誠文堂新光社
  • エジソンからデジタルオーディオまで「オーディオの一世紀」 同上 1992,12 誠文堂新光社 など
蓄音機
1857(安政 4)年

(平円盤前)
スコット:音の波形記録装置を発明【円筒式・横波式の記録】
1877(明治10)年

(平円盤前)
エジソン:蓄音機の発明(円筒式・縦振幅記録)
世界初の録音・再生機「フォノグラフ(Phonograph)」を発明しました。
この機械は、銅製の円筒に錫箔を巻き付けたものを手で回転させ、振動板につなげた録音針を錫箔に押し当てて、溝の深さで音を記録する縦振幅記録方法でした。
1879(明治12)年

(平円盤前)
蓄音機渡来:イギリス人ユーイングによりエジソン蓄音機が日本に紹介されました。
1881(明治14)年

(平円盤前)
グラフォフォン:ベル研究所ベル・ティンターらによりグラフォフォンが開発されました。
1886(明治19)年

(平円盤前)
蝋管式蓄音機:ベルら・他により蝋管式円筒が開発され、エジソンの蓄音機も蝋管式になりました。
1887(明治20)年 ベルリナー:平円盤式蓄音機(グラモフォン)を考案(横波式記録)
この方式により、より手軽に録音再生が出来るようになります。SPレコードの原型です。
1891(明治24)年 国産第1号の蝋管レコードが作られました。
レコードの役割:当時は、はやり歌、演説、声色などが吹き込まれました。 各地の祭礼や縁日にも蓄音機が活躍し、レコードは地方文化の交流の役割を担う様になりました。
1907(明治40)年 円盤式蓄音機の普及:
ベルリナーが開発したグラモフォンの最大の特徴は、円筒式と違って平円盤(音盤)が大量にプレスされ供給可能になったことでしょう。やっと一般の家庭にも普及し始めました。しかし庶民にはまだ高嶺の花だったようです。
円盤式蓄音機が作られるようになると、外国の会社が吹き込み装置一式を持って来日し日本の音楽を録音した原盤を本国へ持ち帰ったり、日本の楽団が海外のレコード吹き込み会社に出張し録音、それを海外でプレスしてレコードを作り、輸入し販売していました。2年後には純国産の平円盤レコードが誕生します。
1909(明治42)年 日米蓄音器製造株式会社が日本初の平円盤レコード製造を始めました。
場所は神奈川県は川崎の港町十三番地で、後に歌にもなりました。  ご存じ?
ああぁ〜 みなとまち〜 十三ばんち〜ぃ 1957年(昭和32年)発売の曲。


SPレコード(平円盤・平音盤)
SPレコード、Standard Playing【スタンダード・プレイング】の略。 そして音盤の回転は1分間に約78回転の時計回りに統一されていました。 音盤の素材は、シェラック(ラックカイガラムシの分泌物を精製した絶縁材)を主体としており、直径25cmと30cmの2種類がありました。 1963(昭和38)年、SP製造中止となるまで、浪花節、流行歌、演説、語学、戦時中には軍歌などあらゆる分野の音を音源にSPレコードが作成されました。
1916(大正 5)年 日米蓄音器製造株式会社が国産初の蓄音機製造発売を始めました。
日本に於ける円盤式蓄音機の台頭元年です。
1928(昭和 3)年 電気吹き込みレコード発売
電気吹き込みの方法は1924年にベル研究所にて開発され、再生にも応用されて電気蓄音機(電蓄)が登場することになります。
1948(昭和23)年 LPレコード出現
LPはLong Playing【ロング・プレイング】の略。そして音盤の回転は1分間に約33回転の時計回りに統一されていました。331/3rpm SPレコードと比し溝幅が1/3、ビニール樹脂を材料とした長時間レコードで雑音が少なく、割れにくいレコードとして注目を集めました。
第2次大戦後、ビニール樹脂製のLPレコードが台頭すると再生機にも変化がみられ、
SPからLPへの移行期となったこの時期には、カートリッジ(当然セラミックカートリッジであった)を反転し、ターンテーブルの回転も33・45・78回転でSP・LP・EPを再生出来るものが作られました。
人々は、より忠実な音響の再生(ハイ・フィデリティ=ハイ・ファイ)を求めるようになり「蓄音機」という言葉は死語となりました。
1951(昭和26)年 LPレコード発売
1954(昭和29)年 EPレコード(45回転)ドーナツ盤発売
1958(昭和33)年 ステレオレコード発売
ご存じのスレテオ方式は45度の角度で1本の溝に右と左別々に原盤をカッティングする技術の開発により 完成しました。
ここから蓄音機というイメージから高音質音源再生装置というものにオーディオは変わって行きます。
1967(昭和42)年

以降
その後時代は、より良い音源を求めて
  • 1967(昭和42)年;45回転LPレコード出現
  • 1972(昭和47)年;PCM録音レコード発売
  • 1977(昭和52)年;CDが開発される
  • 1981(昭和56)年;レッドブック(Red Book)発表
  • 1982(昭和57)年;CD発売
  • 1987(昭和62)年;5年でCDがLPを追い越す。(売り上げ枚数)
  • 1988(昭和63)年;シングルCD(80mm)の商品化
1978(昭和53)年 ステレオレコードが発売された頃には日本の音響技術は世界のトップレベルに達しており、 国民生活においてもレコードは不可欠なものとなっていましたが、 年々増加し続けたLPレコードの生産量は、【レコードも含めたレンタルショップの台頭とCD音源の供給開始の影響】 を受けて1978(昭和53)年をピークに減少し始め、音源供給としての平円盤の時代は終焉を迎えました。
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yousyouan Honpo
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