人間の脳は様々な聴覚情報を使って耳から聞こえてくるものを解釈します。音のスペクトラル要素「音の大きさと音の高低」だけでなく、他にもリスニングスペースの大きさや形を認識するために「脳が探索する情報」があります。 ライブでは耳に音源から直接入ってくる音だけでなく、部屋の壁や天井から跳ね返ってくる反射音も同時に聞いています。というよりも実際は、コンサートホールなどの大きな空間の中で、大部分のリスナーに届いている音の90％以上が反射音だということが研究で明らかになりました。様々な角度から反射した音が耳に届き、この間接音がライブ演奏の雰囲気をかもしだすのです。

従来のスピーカーは、ライブ演奏の音の部分を再現することはできますが、音を直接伝えるようにしか設計されていないため、重要なスペイシアル要素「空間に広がる音の全体」を再現することができません。

ボーズ社は、この音の広がり感の生成がラウドスピーカーだけでは不可能である、つまりリスニングルーム内の反射音によって生成するべきだと考えました。ライブ演奏の音を再現するキーを発見したエンジニアたちは、直接音と間接音の自然なバランスを作り出すようなスピーカーの設計に着手しました。到達した研究成果が「モデル901ダイレクト／リフレクティング・スピーカー」というシステム。

BOSE901仕様　製品カタログより（新型）

■ダイレクト／リフレクティング方式スピーカー
豊かな臨場感を創造するフラットパワーラディエーション

■スムーズな周波数特性を生み出す専用アクティヴ・イコライザー附属